奥山克之の「ボンジュールフランス」[1]




「タイムスリップ」


 パリに着いた翌日、日本を出発する前からの楽しみであった「サヴォア邸」の見学。建築家ル・コルビュジエの代表作の一つである。私が「サヴォア邸」を知ったのは、大学1年の製図の授業。模型製作の課題を与えられ、当時そんなに建築の事を知らなかった自分でも、外観のフォルムの美しさ・自由な空間などに惹かれ、とにかく無我夢中で模型を造った記憶がある。
 パリ市郊外の住宅地にある「サヴォア邸」。門を通って驚いたのが、「ミニ・サヴォア邸」だ。大きさは約15坪程の2階建て、外観もそっくりでお手伝いさんの住む家らしい。そのまま100m程進むと、目の前にその美しい姿が目に飛び込んできて、自分でも分かるほど興奮している。たぶん、妻の両親に結婚のお願いをした時以来の胸の高鳴り…そして、中に進入!
 ガイドのフランソワさんの説明も半分上の空で、隅々をじっくり観察。コートを眺めながら上るスロープ。2階のサロンとコートの間には天井までのガラス建具。トップライトからの陽が青色の壁に反射し、色を変え…。何故60年前にこんな発想が…恐るべし、ル・コルビュジエ。


 

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